憂国爺のひとり言

日米中の最新情報をお伝えして行きます

#三峡ダム#台風14号#中国情報#崖っぷちの中国恒大集団❕

三峡ダムf:id:akidgt:20210713053902p:plain

  #三峡ダム#世界最大船舶用エレベーター

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水位、流入量、放流量(出所、长江水利网)

 09月17日の00時00分現在の三峡ダムの水位は162.54入水量記録なし放出量は30,100立方メーターです。この所、水位は下がり続けています。
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三峡ダム2017/10/16から2020/9/18までの水位 昨年の大洪水の際の水位が如何に高かったが分かります。 

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9月16日天気図

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直近24時間の降雨量❕

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台風14号は日本横断を横断する予報が出ています。

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最新中国情報

崖っぷちの中国恒大集団、待ち受ける幾つかの危機シナリオ

かつて中国一の販売実績を誇った不動産開発大手、中国恒大集団が崖っぷちに立たされている。混乱を伴って幅広い影響をもたらす形の経営破綻に追い込まれるか、あるいは「管理された倒産」を余儀なくされるのか。一方で、政府による救済の可能性は乏しそうだ。

1996年創業の恒大集団は、中国当局が借金や建設事業を自由気ままに許していた時代の申し子と言える。だが、現在では2兆元(3050億ドル)近くの負債を抱え、ここ数年の中国で最大級の破綻を起こす可能性が目の前に迫ってきた。

詳しくは、下記URLをご覧下さい。

  各地で起こっている取り付け騒ぎでは、逮捕者迄出ています。

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中国恒大集団のデフォルト懸念で株価下落❕

 多額の負債を抱える中国の不動産開発大手、中国恒大集団がクロスデフォルトのリスクを
警告したことを受けて、不動産株や金融株が売られている。
    上海総合指数前場終値は1.8851ポイント(0.05%)高の3717
.2574。
    上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数
前場終値は14.647ポイント(0.29%)安の4977.013。
    香港株式市場のハンセン指数前場終値は12.94ポイント(0.05%)安
の2万5800.87。
    ハンセン中国企業株指数(H株指数)前場終値は30.39ポイント(0.
33%)安の9208.60。
    
    不動産指数が1.9%安。金融指数は1.3%安。インフラ指
数は2%安。

詳細は、下記URLをご覧下さい。

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 中国恒大の債務、75%減免が債券アナリストの基本シナリオ
 中国恒大集団の債務問題が連日報道されているが、状況は厳しさを増してる。

ディストレスト債並みの社債価格がヒントになるなら、不動産開発大手の中国恒大集団は、中国で過去最大級の債務再編に直面する可能性がある。

ノムラ・インターナショナル(香港)のクレジットアナリスト、アイリス・チェン氏は債務再編は「ほぼ不可避だ」と述べ、政府の監督下でのディールに基づき、恒大が住宅引き渡しとサプライヤーへの支払いを確実にし、ドル建て債保有者は投資額の25%を回収するのが基本シナリオだと説明した。クレジットサイツ・シンガポールのシニアリサーチアナリスト、ルーサー・チャイ氏も、恒大がデフォルト(債務不履行)に陥って債務再編に向かう可能性があると予想。そのリスクは織り込まれつつあり、同社のドル建て債の多くが30セント前後で取引されていると指摘した。

恒大ほどの規模の不動産開発会社の支払い延滞は中国では非常にまれであるため、投資家やアナリスト、規制当局が頼りにできる事例研究はわずかだろう。佳兆業集団は2015年に中国の不動産開発会社で初めてドル建て債でデフォルトに陥った。別の事例は華夏幸福基業投資開発で、現在交渉中だ。

恒大が無秩序に破綻すれば、金融システムへの脅威となる恐れがある。中国当局は明らな前例がないため、3000億ドル(約33兆円)以上の負債を抱える恒大のような債務問題を解決するメカニズムを今後試していく必要がある。

詳細は、下記URLをご覧下さい。

news.yahoo.co.jp


米艦が南沙諸島再進入、中共の海上保安法に反抗

 9月8日、中国共産党(中共)の南部戦区ウィーチャット(WeChat)の公式アカウントがニュースリリースを発表し、報道官、田軍里氏の発言を引用して、米軍の駆逐艦ベンフォールドが“中国(中共)政府の許可を得ずに、南沙諸島・ミスチーフ礁付近の海域に不法侵入した。南部戦区は海・空軍を組織して追跡・監視を行い、警告して追い払った”と述べました。


詳細は、下記URLをご覧下さい。

【 新聞看点】米艦が南沙諸島再進入 中共の海上保安法に反抗 - YouTube

 結局、中共は何の手出しもできなかった様です、米軍は航行の自由作戦を続けるでしょうから一度尖閣諸島まで来てくれれると良いのですが。

 

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中国各地で土砂崩れ、住居埋没❕

中国では、最近豪雨による被害が拡大しています。中国北西部では、先週末に土砂崩れが発生し、住宅が倒壊しました。

住民は事前に避難しており、負傷者はいないと報告されています。

中国の陝西省で発生したこの事故は、他の地域と同様に、長引く豪雨が原因であるとされています。

また、陝西省北部では、窰洞(ヤオトン)と呼ばれる洞穴式住居群が崩壊しました。このような住居群は同地域では、よく見られる住宅形式です。

崩壊した窰洞の一部は、まだ建設中でした。

詳しくは、下記URLをご覧下さい。

www.ntdtv.jp

対テロ戦の勝者❕

20年におよぶ「米国史上最長の戦争」は、今年8月、アフガン戦争は武装勢力タリバンの制圧、バイデン政権の米軍完全撤退という形で幕引きを迎えた。アフガン・イラクで展開した対テロ戦で、米国はこの期間中7000人の兵士の命を失い、帰還兵は後遺症に苦しんだ。対テロ戦の戦費総額は700兆円に及ぶとの試算もある。

対テロ戦では、誰が「勝利」したのだろうか。カタールのジョージタウン大学のアナトール・リーべン教授は、「世界的な反テロ戦争の勝者は、中国だと考えることができる」と分析した。

詳しくは、下記URLをご覧下さい。

www.epochtimes.jp

#中国不動産会社#毎日一件#倒産

中国メディア「時代週報」によると、今年度に入ってから中国不動産会社の274社が倒産している。毎日平均1社が倒産している計算だ。

融創中国・代表取締役の孫宏斌(そん・こうひ)氏は先日、今年後半の不動産市場は「惨烈」となり、「我々以外の会社は破綻する可能性がある」と発言した。

近年、中国当局は「家は居住のためものであり、投資用のものではない」と宣伝している。特に昨年後半からは管理当局が「3つのレッドライン」を提唱。不動産会社のレバレッジを制限し、住宅ローンの金額を厳格に管理するようになった。 

詳しくは下記URLをご覧下さい。

www.epochtimes.jp

「三つのレッドライン」

 負債の対資産比率は70%以下、純負債の対資本比率は100%以下、手元資金の対短期負債比率は100%以上という三つのレッドラインに従って不動産企業を4分類し、それぞれの債務規模を制限する。
 三つのレッドラインを超えた「レッド企業」は有利子負債を増やしてはならない。二つ超えた「オレンジ企業」は有利子負債の増加ペースが年5%以内となるよう管理監督される。一つ超えた「イエロー企業」では有利子負債の増加ペースは年10%以内、レッドラインに一つも引っかからない「グリーン企業」では同15%以内に抑制される。
 本措置を受けて、不動産企業による土地取得面積は大きく減少しているほか、一部の不動産企業は資金繰り難から破綻のリスクに直面しており、その社債がデフォルトするか否かに注目が集まっている。
出所:新華社

 

経営危機が伝えられている恒大集団のデフォルトリスクが増大

 中国不動産開発大手、中国恒大集団のドル建て債が再び売られ、過去最低を更新した。米ムーディーズ・インベスターズ・サービスとフィッチ・レーティングスの格下げに加え、銀行借入金の利払いを一時停止する計画だと報じられた。
ムーディーズは7日、中国恒大の格付けを「Caa1」から、「デフォルトに陥っている可能性、あるいはそれに非常に近い状態」を示唆する「Ca」へとさらに3段階引き下げ。同社の流動性およびデフォルトリスクは「増大」していると指摘した。
詳しくは下記URLをご覧下さい。

www.bloomberg.co.jp




反生体臓器摘出サミット開催

 欧州、米国、アジアの5つの非政府組織(NGO)が共同で主催する「生体臓器の摘出とその防止に関する世界サミット(以下、「生体臓器摘出対策世界サミット)」が9月中旬に開幕し、19カ国から35名の専門家が参加する。サミットでは、中国共産党(以下、中共)による臓器狩りの残虐行為が人類に与える影響について議論・分析し、それに対抗・予防するための具体的な方法を提案する。

詳しくは下記URLをご覧下さい。

「反生体臓器摘出世界サミット」9月中旬に開催 - YouTube

日本は中国の人権侵害非難決議すら国会で見送りました。

習版の文化大革命か 

  中共はこの所、矢継ぎ早に新政策を打ち出していますが、ついに芸能人たちにも大きな影響が及んでします。

 中国共産党(以下、中共)当局はこのほど、いわゆる「共同富裕」を実現するための会議を開きました。これは国民の富を奪うことを公然と宣言したものとみなされ、国民に大きな不安を与えました。
その後、芸能界のスター達にも影響が及び、活動を制限されたり、罰金を科せらたり芸能人も出てきました。又、なかには、中共によってネット上で封鎖されたりする芸能人もいます。

詳しくは下記URLをご覧下さい。

http://中共メディア「大字報」転載 習版の文化大革命か - YouTube

 

  大雨の結果、長江上流の支流である岷江、踏江、嘉陵江ではいずれも大規模な洪水が発生し、嘉陵江の支流である秋嶺江では警戒水位超え、6日午後8時には「2021年嘉陵江洪水第2号」が発生しました。

   雲南省にある昭通大永高速道路のトンネル付近で3日、山崩れが発生した。高速付近の建物と近くに置いてあった自動車が、転がり落ちた石と土に埋もれた。

詳しくは下記URLをご覧下さい!

中国雲南省 工事中の高速道路トンネルで山崩れ - YouTube

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これも、施工ミスによる人災の要素が強い事故ですね。
それにしても、事故が絶えません!


 洪水発生地域が拡大し、中国の北部でも局地的大洪水が発生しています。
陝西省、山東省、広西チワン族自治区の一部地域では、豪雨が数日間降り続いており、各地で山津波や都市部の冠水が発生しています。外出ができなくなった住民は、木の板やベッドのマットレスを船の代わりにして外に出ています。青島市では豪雨によって道路が一面海のようになっています。

 詳しくは下記URLをご覧ください。

www.ntdtv.jp

#中国#ゲームは精神的#アヘン

中国政府は30日、18歳未満のオンラインゲームの利用時間を週3時間と祝日に限定する新ルールを発表した。政府が運営する「反依存症」システムに全てのオンラインゲームを接続することが義務付けられ、ユーザーは実名での登録が必要となる。...
 カラオケも、歌える曲は当局が選択する様で、此の儘では何れカラオケさえ規制、禁止されるのではないでしょうか。
習主席のワイフは元歌手ですし、習氏は、テレサテンのフアンと言われていますので、歌まで干渉するとは思ってもみませんでしたが。
 詳細、動画は下記URLでご覧ください。

news.yahoo.co.jp

中国北西部で豪雨被害 2万3000人余り緊急避難

 長江流域に長雨をもたらしていた停滞前線が先週北方に移動した事により、北西部でも洪水が発生しました。昨年も長江流域と共に黄河流域でも洪水が多発しました。

  中国北西部の陝西省(Shaanxi)安康市(Ankang)で29日未明、集中豪雨による河川の氾濫や土砂災害が発生しました。

 地元当局は、被災者の救援を急いでおり、当日午前7時ごろまでに2万3000人余りを安全な場所に避難させたということです。豪雨被害が深刻な鎮坪県(Zhenping)では、123ミリの最大短時間降水量が観測されたほか、同県を流れる南江の水位は警戒水位を1.92メートル上回りました。

 当日午前3時30分ごろ、豪雨による土砂崩れが発生し、県内にある6階建てのホテルにいた5人が一時足止めされていました。地元の消防隊員が直ちに現場に駆けつけて救援活動を展開し、5人を全員安全な場所に避難させたということです。
詳細は下記URLをご覧ください。

www.afpbb.com

 

重慶周辺今年も洪水

 重慶市とその周辺は今年も前線の影響で8月は断続的に雨が降り続いていました。

重慶に近い長江寸灘の水位も上昇傾向にあります。

    中国南西部で長江と嘉陵江の合流点にある直轄市重慶は8月29日、同市の城口県に危険度が2番目に高い洪水警報を発出した。
 重慶市では断続的に続いている大雨で、複数の河川が増水、市内各地で洪水や土砂崩れが発生し、道路が寸断され、住民が安全な場所に避難を開始している。

詳細、動画は下記URLをご覧ください。

news.yahoo.co.jp


中国の不動産市場に起こりうる二つの大変化 

中国の中央銀行は先日、意外にも銀行預金利率の引き下げを発表しました。これは中国経済が今も疲弊しており、中国経済の柱である不動産業に大きな変化が起きて、不動産市場の黄金時代は今、終焉に向かっていることを示していると考えられています。
中国不動産市場の情勢が最近になってまた注目を集めています。7月11日、武漢の不動産仲介業者がソーシャルメディアに動画を投稿し、「武漢の中古不動産市場で買い手が減少し、供給と供給のバランスが取れていない」と述べています。

詳しくは下記URLをご覧ください。

https://www.ntdtv.jp/2021/07/51216/

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関連ブログ

 数年前まで書店を賑わした中国経済崩壊に関する書籍は、最近あまり見かけなくなって来ましたが、いよいよ中国の不動産価格が♯本格的に下落に転じたようです。
いよいよ中国不動産バブルは崩壊するのでしょうか。
 各都市の住宅価格の過去の最高値から2020年10月までの平均値下がり率は20都市で10%以上、9都市で15%以上の値下がりが見られ、最高の値下がり率は46.9%に達しています。
中古住宅市場も冷え込んできました。街中にある多くの不動産屋も閑散としてきました。店に張り出された広告を眺めていると店の中から店員が出てきて、話しかける光景もよく見られます。
国が不動産市場の規制と管理を開始して以来、中国の住宅価格は冷え込んできました。来年以降、中国は不動産産業の資金調達を制限します。
新しい方針の実施は、不動産会社にとって重要な資金調達チャネルも徐々に遮断されることを意味します。
デベロッパーは、資金調達が継続できるように、債務を減らすために値下げを続けるしか有りません。
不動産産業を支えてきた外部環境も、大きく変化してきました。
不動産価格の高騰により、若い世代にはすでに手の届かないところまで価格が高騰してしまった上に、来年以降退職者が増えて行き、需要と供給のバランスが大きく変化します。更に、米国との関係悪化も無視できません。来年以降、デカップリンがさらに進むでしょうから、経済の落ち込みが懸念されています。

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#白猫黒猫論から#習近平の#共同富裕へ

「中国共産党(以下、中共)の習近平総書記は17日、所得の規制や再分配など「共同富裕(国民全体が豊かになること)」の実現に向けた概要を示し、国内の富裕層に警告を発しました」と看中国が報じました。


出所:看中国

https://www.youtube.com/watch?v=Z5Sd6ySlTOU&t=179s


    具体的には新たな税を新設したりして富裕層から多額の税を徴収し貧困層に再配分すると言っているのでしょう。
 しかし、中国にある36省の財政は逼迫しており、殆どの省が大幅な赤字に陥ていると報じられています。
 此の様な状況からして、集めたお金は、各省の財政再建に使われ、貧困層には回ってこないのではないでしょうか。
 鄧小平は白猫黒猫論(白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である)
を唱え、極貧の中国を経済大国へと導きましたが、結果的には共産党の指導層とその取り巻きは超富裕層になりましたが、いまだに6億人もの貧困層が残されました。
 中国が豊かになっていく段階で、貧富の格差は広がる一方でした。

中国の貧困
 2020年5月28日、中国の李克強首相は、全国人民代表大会の記者会見で「昨2019年、中国人の平均年収は3万元(約45万円)だった」と公表した。だが、一方で、「中国には月収1000元(約1万5000円)の人が6億人もいる」と明かしました。
月収1000元ということは、年収1万2000元(約18万円)にしかならない。この月収では、1キロ30元(約450円)以上もする肉は食べられない。また、中小都市の1カ月分の家賃にもならないだろう。一般に、貧困は「絶対的貧困」と「相対的貧困」とに分けられる。世界的には、「絶対的貧困」は1日当たり1.90米ドル(約205円)以下の収入とされる。月収にすると57米ドル(約6150円)、年収は684米ドル(約7万3800円)である。

 


三峡ダム決壊危機の要因

1.三峡ダムの建設地がそもそもダム建設に向いていないと指摘されています。ダムの建設された宜昌市は三峡の出口にあります。景勝地三峡が形成されたのは地質がもろく弱いからで、長年にわたり水流によって削り取られ渓谷が誕生しました。三峡ダムはそのような地盤の上に建設されました。


2.三峡ダムは長江プレートの上に建設されています。

長江プレートは華南の大部分を含むプレートで、東に沖縄プレート、南にスンダプレート、フィリピン海プレート、北と西にユーラシアプレートが位置しています。2008年の四川大地震はこのプレートの龍門山断層によって引き起こされました。又、この地震が三峡ダム建設による影響で起きたとする説もあります。

特に、三峡ダムが広がる長さ約600キロメートルの渓谷(長江三峡)は、複数の断層が重なった地形をしていますので、長江沿岸の斜面に開かれた巴東は、昔から地滑りの多い土地柄でしたが、ダム建設後、被害が急激に増えたと言われています。

カナダ・トロント(Toronto)のプルーブ・インターナショナル(Probe International)が公開した2010年の中国政府に調査結果によると、ダム周辺では2003年以降、大半はマグニチュード3以下と小規模ながら、地震の回数が30倍になったそうです。

設計、構造の欠陥が以前より指摘されていましたが、特にネットユーザーが昨年7月1日に三峡ダムが変形したGoogle衛星画像を投稿したことが発端で、注目を集めるようになりました。

中国当局ははじめの内は衛星写真の歪みによるものとして否定しましたが、その後、変形を認めたものの設計の許容範囲内だとしています。
では一体何故巨大なダムが変形してしまうのでしょう。それはダムの構造に第一の問題があるとされています。
常識的に構造物を建設する時は基礎を固めその上に建物や構造物を固定していきますが、三峡ダムは基礎の上に巨大な大きさの異なるコンクリートブロックを数十個並べ自重により安定を図る設計になっています。
基礎とダムが固定されていないのです。その結果、水圧とか温度により其々のブロックにかかる圧力に差が生じると変形が発生します。
変形が生じると当然のことながらコンクリートブロックの間に隙間が生じ水漏れが起きます。
一体何故、基礎部とダムを固定しなかったのか、大きな疑問が残ります。
この様な設計の基、建設されたのですが、コンクリートの質、使われた鉄筋が少い等、施工段階での問題点も指摘されています。

4.三峡ダムと長江上流、中下流の位置関係。
 四川省、重慶市の洪水が三峡ダムに如何に脅威になるか下の図を見て頂くと直感できると思います。
縦軸はメートル、横軸はキロメートルです。
此れだけ高低差のある四川省と重慶市からの土石流がゴミや廃材と一緒に三峡ダムに押し寄せ、ダムの壁に圧力を掛けます。
設計から工事、検査に至るまで問題が指摘され、既に多くのひび割れ、歪みが出ている三峡ダムが決壊から逃れるため、中下流域の洪水被害拡大を承知の上で過去最大の放流ゲイト11か所を開き、全力で放流するしか、ダム決壊を防ぐ手立てが無いのでしょう。

5.三峡ダム建設後の大雨で起きた今回の大洪水は何故ここまで酷い大災害になってしまったのでしょうか。下記長江の洪水の記録にもあるように、今回の流量を超す洪水を何度も経験していますし、三峡ダム建設の目的の一つが治水にあったはずですが、機能しませんでした。
 重慶、武漢、南京等では過去最高レベルの水位を記録したと報じられました。中下流域の重要都市を守るために犠牲となった安徽省は今も水に浸かったままです。
 私は、10数年前重慶に長期滞在していましたが、その開発のスピードは凄まじく、小高い丘は次々に整地され、高層の集合住宅が多くの場所で同時に建てられていました。
 中国の多くの都市では当然建設前に下水施設は整備したようですが、そのモデルを旧ソ連から受け継いだようで下水溝が狭く容量不足で、大雨が降るとマンホールが浮き上がるほどの勢いで下水が噴き出す様子が映し出されていました。
 更に深刻だったのは、三峡ダム中下流域にあった多くの湖が整地して宅地にされたり、アジア最大級の湿地帯は草原と化し、洪水が起きた時の泥水の逃げ場を自ら潰してしまったという事実です。

6.三峡ダム建設に反対し、強制労働を強いられた精華大学教授故黄万里教授の遺言。


ー精華大学教授故黄万里教授の遺言ー

  今年は大雨と三峡ダムの放水により、長江流域は上流も下流も大洪水が発生し、危機的状況になりました。
 三峡ダム建設によりこの様な事態に陥ることを予測し、当時の江沢民主席に3度も手紙を出し三峡ダムプロジェクトに反対したのが精華大学教授故黄万里教授でした。
 黄教授は米国イリノイ大学で博士課程を修了した中国水利専門家の第一人者で、良心の水利学者と言われていたそうです。
 しかし、結局、教授の手紙は受け入れられず三峡ダムは建設されてしまいましたが、黄教授は三峡ダムの完成を見る事も無く2001年8月27日に逝去されました。

黄教授が反対した理由は下記の通りです。
1)より低い長江の主な堤防の(崩壊長江下游幹堤崩岸)斜体
2) 航海の妨害 (阻礙航運)
3) 流域住民の移住 (移民問題)
4) 沈泥の問題 (積淤問題)
5) 水質の悪化 (水質惡化) : 下水施設の不備からどぶ川と化しています
6) 発電不足 (發電量不足)
7) 気象異常 (氣候異常):  豪雨の頻発
8) 頻発する地震 (地震頻發) : 四川地震(三渓ダム建設の影響とする説が有ります)
9) 住血吸虫症の蔓延 (血吸蟲病蔓延)
10) 生態系の悪化 (生態惡化) :既にスメナリ、チョウザメは絶滅したとされています
11) 上流の深刻な洪水 (上游水患嚴重) : 重慶を含む四川盆地の洪水の深刻化
12 )最終的には爆破せざるをえない (終將被迫炸掉)

 これまでの長江流域の大洪水等は、黄教授の危惧した通りの状況になっています。

 今年の豪雨による三峡ダム決壊危機と長江流域の大洪水は一旦収束したように見えますが、三峡ダムが存在し続ける限り、決壊、破壊の懸念をぬぐい去ることは出来ないでしょう。