#三峡ダム#外出厳禁 #コロナ禍 #食料不足 #吉林省通化
中国では、昨年の長江流域m黄河流域の大洪水バッタ、イナゴの大発生、東北地域の干ばつ以降、食糧不足が指摘されてきました。
この様な自然災害により起きた食料不足に加え、今年に入り新型コロナウイルスによる患者が発見されるなど再度おろなウイルの感染拡大が、北京、大連をはじめとする東北部で起きました。
その後感染地域が上海にまで拡大しました。
最近では吉林省西南部通化市での感染が深刻で人々は家から出られない状態が続いています。
通常であっても、食糧が手に入りずらくなっている状況下でのロックダウンで人々は増々食糧危機に直面しています。
この様な状況下で、食糧をめぐる事件も起きている様で、Twitterに現状を訴える投稿がアップされています。
财经冷眼
食糧危機、電力不足
中国では食料価格が引き続き高騰していますが、特にトーモロコシの価格上昇が著しいようで。更に輸入拡大をはかるものと思われます。
このブログを書いて、早3か月ほどが経ちましたが、食料不足は増々悪くなっているようですが、各国ともに自国の食糧を確保するのに窮しているようです。仕方なく、紛争の続いているインドから安くコメを輸入したのですが、此の事がインド国内で波紋を広げ、今後、輸入するのが難しくなりそうです。
その一方で、いま中国では電力不足が深刻な問題になってきたそうです。一番の理由は、中国との関係が急速に冷えたオーストラリアを制裁するため、食肉、鉱石、石炭等の輸入を止めた結果、自国の燃料不足に陥ってしまったそうです。水力発電の方も今年の大洪水で、大小のダムが損壊したそうですから、火力発電をカバー出来ないのでしょうかね。
出所:大紀元
中国、トウモロコシ価格が高騰
三峡ダムの危険性については建設前から指摘されていましたが、10年ほど前にもダムの決壊危機についてAFPが報じていました。
10年経ても危機的状況は変わらいばかりか、より酷くなって来ました。
2010年10月、 中国・長江(揚子江、Yangtze River)沿岸の湖北(Hubei)省巴東(Badong)県で大規模ながけ崩れが発生し、ワン・ソンリャン(Wang Songlian)さん(66)と近隣住民の住宅十数棟は、あわや土砂とともに長江に押し流されるところだった。 しかし巴東県では、このような話はもう珍しくない。街のあちこちで日常的に地滑りや土砂崩れが起きているのだ。 地元住民らは、三峡ダム(Three Gorges Dam)が建設されたことで一帯の地震活動に変化が起きたと主張している。「ダムのせいだ。(ダムに水が溜められた)2003年から地滑りと地震の頻度が増えて、以前よりずっと危険になった」とワンさんは嘆く。 ■「国家技術の粋」が抱える「無視できない」問題 これまで中国政府は、世界最大の水力発電ダムである三峡ダムを中国の工学技術の粋と位置付け、洪水や電力不足を解決する国家事業として誇示してきた。だが、今年5月、ついに政府は三峡ダムがさまざまな弊害を引き起こしていることを認めた。 これに、折りしも発生した深刻な干ばつがあいまって、今、三峡ダムをめぐる諸問題に改めて注目が集まっている。 三峡ダムの建設は1994年に始まった。建設にあたって、巨大ダムの大量の貯水の重みによって一帯の地質が変化する恐れや、数百万人が移住を余儀なくされる点、ダムの存在が川の流れを遮断し、汚物がせき止められて水質汚染が進む問題などが指摘されたが、批判は受け入れられることなく、複数の反対派が収監されてしまった。 けれど、すでに問題は政府が無視できないレベルまで達していると専門家は指摘する。 ■断層帯にダム、地震回数30倍に 三峡ダムが広がる長さ約600キロメートルの渓谷(長江三峡)は、複数の断層が重なった地形をしている。長江沿岸の斜面に開かれた巴東は、昔から地滑りの多い土地柄だが、住民らはここ数年で被害が急激に増えたと証言する。 地元高校の敷地内には地割れができ、地震のたびに広がってゆく。低地に住む数万人に対しては当局が移転命令を出したが、約束された補償金はいつまでたっても支払われない。補償金の未払いに関する苦情は、ダム着工によって移住を命じられた140万人からも挙がっており、結局踏み倒されるのではないかと住民らは語る。 カナダ・トロント(Toronto)のプルーブ・インターナショナル(Probe International)が公開した2010年の中国政府に調査結果によると、ダム周辺では2003年以降、大半はマグニチュード3以下と小規模ながら、地震の回数が30倍になった。 ■三峡ダムが招く悪循環 ダムへの批判は、今年に入って下流域の湖沼の数々がここ数十年で最悪の干ばつに見舞われ、周辺住民の生活を支える水源が草地に変わってしまったことで、より高まっている。反対派は、長江がこれまで通り自然に流れていれば、このような事態にはならなかったと指摘する。中国の水質汚染に関する著作がある作家のマ・ジュン(Ma Jun)氏は、「ダムで洪水の被害を和らげることはできるが、下流の湖に行き渡る水が減る。人びとは今になってそれに気がついた」と述べ、川の自浄機能の悪化による水質汚染も進んでいると語った。 国営メディアによると、こうした事態を受け、下流域の自治体には三峡ダムの負の影響を相殺する自前のダムを作ろうとする動きも見られ、問題がさらに悪化する懸念もふくらんでいる。 プルーブ・インターナショナル責任者のパトリシア・アダムス(Patricia Adams)氏は、三峡ダムの教訓を生かさず流域へのダム建設を続ければ、「長江が川として機能しなくなる」と警鐘を鳴らした。「そうなれば、これまで漁業や農業、河川交易で生活を立ててきた数百万人が苦しむことになる。三峡ダムによって破壊された地質や水質の改善には、永遠に終わりのない出費が必要になり、金食い虫と化したダムはやがて運転にも窮する羽目になるだろう」と語りました。
三峡ダム決壊危機の要因
1.三峡ダムの建設地がそもそもダム建設に向いていないと指摘されています。ダムの建設された宜昌市は三峡の出口にあります。景勝地三峡が形成されたのは地質がもろく弱いからで、長年にわたり水流によって削り取られ渓谷が誕生しました。三峡ダムはそのような地盤の上に建設されました。
2.三峡ダムは長江プレートの上に建設されています。
3.設計、構造の欠陥が以前より指摘されていましたが、特にネットユーザーが昨年7月1日に三峡ダムが変形したGoogle衛星画像を投稿したことが発端で、注目を集めるようになりました。
中国当局ははじめの内は衛星写真の歪みによるものとして否定しましたが、その後、変形を認めたものの設計の許容範囲内だとしています。
では一体何故巨大なダムが変形してしまうのでしょう。それはダムの構造に第一の問題があるとされています。
常識的に構造物を建設する時は基礎を固めその上に建物や構造物を固定していきますが、三峡ダムは基礎の上に巨大な大きさの異なるコンクリートブロックを数十個並べ自重により安定を図る設計になっています。
基礎とダムが固定されていないのです。その結果、水圧とか温度により其々のブロックにかかる圧力に差が生じると変形が発生します。
変形が生じると当然のことながらコンクリートブロックの間に隙間が生じ水漏れが起きます。
一体何故、基礎部とダムを固定しなかったのか、大きな疑問が残ります。
この様な設計の基、建設されたのですが、コンクリートの質、使われた鉄筋が少い等、施工段階での問題点も指摘されています。
4.三峡ダムと長江上流、中下流の位置関係。
四川省、重慶市の洪水が三峡ダムに如何に脅威になるか下の図を見て頂くと直感できると思います。
縦軸はメートル、横軸はキロメートルです。
此れだけ高低差のある四川省と重慶市からの土石流がゴミや廃材と一緒に三峡ダムに押し寄せ、ダムの壁に圧力を掛けます。
設計から工事、検査に至るまで問題が指摘され、既に多くのひび割れ、歪みが出ている三峡ダムが決壊から逃れるため、中下流域の洪水被害拡大を承知の上で過去最大の放流ゲイト11か所を開き、全力で放流するしか、ダム決壊を防ぐ手立てが無いのでしょう。
四川省 重慶市 三峡ダム
5.三峡ダム建設後の大雨で起きた今回の大洪水は何故ここまで酷い大災害になってしまったのでしょうか。下記長江の洪水の記録にもあるように、今回の流量を超す洪水を何度も経験していますし、三峡ダム建設の目的の一つが治水にあったはずですが、機能しませんでした。
重慶、武漢、南京等では過去最高レベルの水位を記録したと報じられました。中下流域の重要都市を守るために犠牲となった安徽省は今も水に浸かったままです。
私は、10数年前重慶に長期滞在していましたが、その開発のスピードは凄まじく、小高い丘は次々に整地され、高層の集合住宅が多くの場所で同時に建てられていました。
中国の多くの都市では当然建設前に下水施設は整備したようですが、そのモデルを旧ソ連から受け継いだようで下水溝が狭く容量不足で、大雨が降るとマンホールが浮き上がるほどの勢いで下水が噴き出す様子が映し出されていました。
更に深刻だったのは、三峡ダム中下流域にあった多くの湖が整地して宅地にされたり、アジア最大級の湿地帯は草原と化し、洪水が起きた時の泥水の逃げ場を自ら潰してしまったという事実です。
6.三峡ダム建設に反対し、強制労働を強いられた精華大学教授故黄万里教授の遺言。
ー精華大学教授故黄万里教授の遺言ー
今年は大雨と三峡ダムの放水により、長江流域は上流も下流も大洪水が発生し、危機的状況になりました。
三峡ダム建設によりこの様な事態に陥ることを予測し、当時の江沢民主席に3度も手紙を出し三峡ダムプロジェクトに反対したのが精華大学教授故黄万里教授でした。
黄教授は米国イリノイ大学で博士課程を修了した中国水利専門家の第一人者で、良心の水利学者と言われていたそうです。
しかし、結局、教授の手紙は受け入れられず三峡ダムは建設されてしまいましたが、黄教授は三峡ダムの完成を見る事も無く2001年8月27日に逝去されました。
黄教授が反対した理由は下記の通りです。
1)より低い長江の主な堤防の(崩壊長江下游幹堤崩岸)斜体
2) 航海の妨害 (阻礙航運)
3) 流域住民の移住 (移民問題)
4) 沈泥の問題 (積淤問題)
5) 水質の悪化 (水質惡化) : 下水施設の不備からどぶ川と化しています
6) 発電不足 (發電量不足)
7) 気象異常 (氣候異常): 豪雨の頻発
8) 頻発する地震 (地震頻發) : 四川地震(三渓ダム建設の影響とする説が有ります)
9) 住血吸虫症の蔓延 (血吸蟲病蔓延)
10) 生態系の悪化 (生態惡化) :既にスメナリ、チョウザメは絶滅したとされています
11) 上流の深刻な洪水 (上游水患嚴重) : 重慶を含む四川盆地の洪水の深刻化
12 )最終的には爆破せざるをえない (終將被迫炸掉)
これまでの長江流域の大洪水等は、黄教授の危惧した通りの状況になっています。
今年の豪雨による三峡ダム決壊危機と長江流域の大洪水は一旦収束したように見えますが、三峡ダムが存在し続ける限り、決壊、破壊の懸念をぬぐい去る事